ECA (Emission Control Area)の影響①


マリンサービス事業部 河原です。

 

2015年1月から、Emission Control Area(ECA:排出規制海域)での

使用燃料油の規制が厳しくなりました。

 

これまでは、燃料油中の硫黄分の上限が1.0%であったものが、

0.1%と1/10へ減らされることになっています。

 

現在のECAは、北米と欧州の北海・バルト海の地域ですが、

更に広がる可能性もあります。

 

ECA

 

この規制強化の影響による大きなトラブルは

現時点では聞こえてきていませんが、

船舶の油を扱う私共としては幾つか心配な点があります。

 

 

まずは、燃料油に関して、

 

これまでは硫黄分が1.0%が上限でしたから、

一般的には低硫黄(1.0%未満)のFuel Oil(日本国内で言うC重油)が

使用されていました。

 

これが、硫黄分0.1%未満になると、

通常のFuel Oil(C重油)では対応できなくなります。

そこまで脱硫(硫黄分を取り除く工程)できる製油所がありません。

なぜなら、C重油は製油所が売りたい製品ではないからです。

C重油は、精製過程出て来る余りものといえる製品なのです。

他の業界でも同じだと思いますが、

高く売れない余りものにお金をかけるなんてことは

経済的観点から非常に困難と思われます。

 

話が逸れてしまいましたが、

そのため、ECAを航海する船舶の燃料油として

低硫黄のMarine Gas Oil(MGO)が一般的には

供給されるようになっています。

 

船舶側の対応としては、

FOタンクの一部をMGOタンクに変更して、

低硫黄MGOを必要量確保しています。

 

実際の運航時のオペレーションとしては、

ECAではない一般海域はこれまで通りのC重油を使用し、

ECAに入る際に低硫黄MGOに切り替えています。

 

MGOを船舶の主機(メインエンジン)で使用すること。

 

MGO自体はC重油と比べると

混ざり物もない質の良い油(ほぼ軽油)なので

エンジンにも良いのではと思ってしまいそうですが、

 

そうではありません。

 

船舶のエンジンは、

質の悪いC重油を使用することを前提に設計されていますので、

質の良いサラサラな燃料油は

逆に機器のダメージに繋がる心配があります。

 

その最たるものが

燃料ポンプです!

 

粘り気の高いC重油は潤滑性があり、

ポンプの摺動部分の潤滑性を保っていますが、

 

一方でサラサラのMGOはその潤滑性が失われ、

その部分の油膜がなくなり、金属同士が擦れ合うことで

スティック(固着)させる危険性が高まります。

 

更に良くないことに、

硫黄分自体は潤滑性を持っているもののため、

低硫黄のMGOとなると

余計に危険性が増すのです。

 

しかも、通常、C重油は使用時に過熱をして

粘度を下げるのですが、

その影響で燃料が通るラインは

温められています。

 

そこにMGOをそのまま通してしまうと、

余計に粘度が下がって、

更にサラサラになってしまいます。

 

そのための対策として、

 

加熱とは逆のMGOを冷やす装置を設置して

粘度を維持してやる方法と

 

MGOに潤滑性を高める添加剤を加える方法

 

のどちらかが用いられることが多いようです。

 

 

続きは、ECA (Emission Control Area)の影響②へ

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