マリンサービス事業部の河原です。
なかなか聞く機会はないと思いますが、
船の大きさはどう表すかご存知ですか?
船はトン数で大きさを表します。
ただ、ここで厄介なのが同じ船の大きさを表すトン数なのに
大きさを表す数値が複数存在するのです。
ここにA丸という船があるとします。
この船の大きさは
総トン数(グロストン)で38,000トン
積貨重量トン数(デッド・ウエイト・トン)で75,000トン
という大きさです。
そう説明されて理解できた人は相当な通です(笑)
普通、分かりません。
先ず、同じトンなのに全然数値が違うのはなぜ?って思うはずです。
また、総トンと積貨重量トンの違いは何?とも思われるのではないでしょうか。
これ、トン数とは呼ばれていますが、
一方は重さを表す「トン」ではないのです。
お察しの良い方は気付かれたかもしれませんが、
積貨重量トンと呼ばれる方は漢字の意味の通り重さを表す「トン」で
1トン=1000kg のことです。
この積貨重量とは、貨物等の最大積載量の重さを指しています。
一方、総トンは容積の大きさを表しており、
容積に係数を乗じて得た数値に「トン」を付して表したものになります。
ここで言う「トン」とは単位ではなく呼称としてのものなのです。
つまり簡単に言いますと、
総トン数は船の見た目の大きさを表したもので、
積貨重量トン数は船に積める物の重さを表したもの
ということになります。
では、何でそんなややこしくなるような複数の大きさが存在するのでしょうか?
容積にしろ、積載量にしろ、数値が大きい方が大きな船ということなら
統一した方が分かりやすいと思われますが…、
これは船には色々な種類があることから生じています。
船には荷物を運ぶ商船もあれば、人を運ぶ客船もあります。
商船はどれだけ荷物が積めるかが重要になります。それが運賃に直結しますので。
一方客船は人をすし詰め状態に積み込む訳ではありませんので、
何トン(重量)積めるかは重要ではありません。
乗る人からすれば、どれだけ広いスペースがあるかの方が重要です。
他にも船舶の大きさの表し方は色々とありますが、
一見、分かり難くて複雑に思える表し方もどのような対象として捉えるかで
指標となる概念が変わってくるからなんですね!