マリンサービス事業部の河原です。
今回は船舶の燃料油についてご紹介します。
先ず、内航船の燃料油ですが、
A重油(1種重油)とC重油(3種重油)が多く使われています。
ここで言うA重油とは、
どちらかというと軽油に近い油になります。
正しい表現ではありませんが、イメージとしては
ガソリンや灯・軽油を蒸留した後に残った不純物の混ざった黒い油が
少し軽油に混ざったものです。
これは漁船やあまり大きくない船舶エンジンの燃料油として
多く使われています。
C重油とは、A重油の全く逆で、
残った黒いどろどろの油に少しだけ軽油が混ざったものというイメージです。
ですから、色は真っ黒で、粘度も高く、ドロッとした油です。
こちらは大型の船舶に使用されています。
外航船(海外へ行く船舶)も基本的に国内で使われる油と違いはありませんが、
国内はJIS規格なのに対して、国際的にはISO規格ということで分類や名称が異なります。
A重油に相当するものが、Marine Gas Oil 又は Marine Diesel Oil と
一般的に呼ばれる燃料油になります。
一方C重油に相当するものが、粘度の違いで種類が分けられていますが、
一般的に180cSt とか 380cSt と呼ばれる油です。
この"cSt"は、動粘度(ドロドロ具合)を表す単位で値が高いほど粘度が高くなります。
外航船では、この380cSt の燃料油が現在の主流になっていますが、
最近では環境問題から国際的な船舶の排気ガスの規制も強化されつつあり、
環境への負荷が少ない燃料油や排気ガスを浄化する装置の開発などが進められています。