2020年のバンカーの課題①

マリンサービス 河原です。

 

 

2020年から硫黄分濃度が0.5%未満の燃料油を使用しなければいけないことは

以前にお話しした通りですが、

 

それによって、心配になることのひとつとして、

Compatibility(親和性)の問題があります。

 

 

現在でも、ECA(Emission Control Area)では、

LSMGOとULSFOという別の種類の燃料油があるため、

これらが混ざった場合のCompatibilityの問題はありますが、

 

2020年には、

硫黄分0.5%未満の燃料油として、

ブレンド油というものが出てきます。

 

出てくる燃料油の種類が増えるということは、

タンクの容量や数に限りがある船舶において、

混ざってしまう可能性もこれまでよりは高くなることも考えられます。

 

 

また、

このブレンド油は、硫黄分を下げるために

様々なカッター剤が用いられて製造される可能性がありますので、

油として安定性が高いかどうかという点では心配です。

 

 

元々、燃料油は混ぜるとスラッジが発生する可能性があるから

極力混ぜないように管理はされていますが、

完全に混ぜないといことは、オペレーション上、非常に困難です。

 

 

低硫黄の燃料油が、全てLSMGOであれば、

陸上の軽油とほとんど同じものですから

混ぜてもCompatibilityの問題が起きることはないはずですが…

 

 

現在の予測では、

0.5%のブレンド油が多く出回ると見られています。

 

ただ、LSMGOしか手当てが出来ない港もあるでしょうから、

タンク繰りは厳しくなるでしょうね。

 

 

2020年以降は、

Compatibilityの問題を意識して燃料油を管理することが

今まで以上に必要になるのではないでしょうか。

 

 

 

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